不要高額評価の背景(3)迎合評価
評価規定の画一性は、評価額を不自然に低額にしてしまうこともあります。たとえば図表6-2のように、親族の所有地の奥に被相続人の土地がある場合です。ただし評価規定上は、周りの土地を無視しますからこの土地は無道路地となります。したがって評価額は不自然に低くなってしまいます。
図表6-2: 迎合評価事例:無道路地
名義が分かれてはいるものの、A地もB地も同じ親族の所有で、一体利用も可能です。ですから、形の上ではA地は無道路地でも、実質的にはそうではないと言えましょう。だからといって、この土地に無道路地の減額を行わないというのは迎合評価です。あくまでルール通りに評価すべきです。
問題は現実にこれをどう評価するかです。むろん基本はルールどおり無道路地として評価すべきことになります。しかし実態に即して、2つの土地を一体で評価した場合の単価により評価するという考え方もあるでしょう。あるいは、蔭地割合による不整形地補正のみ適用し無道路地の減額は適用しないとする、いわば足して2で割ったような評価もありえます。
しかしやはり評価規定どおりに評価するのが筋です。既にみたように評価規定の画一性により不自然に高額評価になってしまうが山ほどあります。このような場合に「評価規定どおり」の評価を強制されている以上は、低額評価の場合も「評価規定どおり」にすべきだからです。
しかし税務署員の中には、「評価ルールはさておき、このような常識外の低額評価は許されない」などと否認してくる人がいるかもしれません。しかしその場合には、毅然としてこの理不尽な要求をはね返すべきです。
しかし評価に自信がなければこれをはね返す自信も出てきません。そこで「実態に即した」評価を行います。こうした迎合評価も不要高額評価をもたらします。
もうひとつ示しましょう。路線価図の中には新設道路等に関して、税務署のミスにより路線価の付け洩れをしているところが稀にあります。このような場合に、本来あるであろう路線価を独自に付けた上で、これを前提に評価する例が少なくありません。「敵失に乗じるのを潔しとしない」というわけなのでしょう。
しかし筆者にはこれも「迎合評価」しかみえません。理由は、建築基準法上の道路に該当しないため、本来路線価を付すべきでないものにも付されている場合があります。そして権威主義からなのか、この「誤り」を指摘しても当局は路線価をはずすことをしないからです。
この「迎合評価」は、一概には批判できない面があるかもしれません。しかし納税者のために許される範囲の低め評価を追求することが税理士の責務です。やはり迎合評価も不要高額評価のひとつというより他ありません。 評価規定の画一性は、評価額を不自然に低額にしてしまうこともあります。たとえば図表6-2のように、親族の所有地の奥に被相続人の土地がある場合です。ただし評価規定上は、周りの土地を無視しますからこの土地は無道路地となります。したがって評価額は不自然に低くなってしまいます。
問題は現実にこれをどう評価するかです。むろん基本はルールどおり無道路地として評価すべきことになります。しかし実態に即して、2つの土地を一体で評価した場合の単価により評価するという考え方もあるでしょう。あるいは、蔭地割合による不整形地補正のみ適用し無道路地の減額は適用しないとする、いわば足して2で割ったような評価もありえます。
しかしやはり評価規定どおりに評価するのが筋です。既にみたように評価規定の画一性により不自然に高額評価になってしまうが山ほどあります。このような場合に「評価規定どおり」の評価を強制されている以上は、低額評価の場合も「評価規定どおり」にすべきだからです。
しかし税務署員の中には、「評価ルールはさておき、このような常識外の低額評価は許されない」などと否認してくる人がいるかもしれません。しかしその場合には、毅然としてこの理不尽な要求をはね返すべきです。
しかし評価に自信がなければこれをはね返す自信も出てきません。そこで「実態に即した」評価を行います。こうした迎合評価も不要高額評価をもたらします。
もうひとつ示しましょう。路線価図の中には新設道路等に関して、税務署のミスにより路線価の付け洩れをしているところが稀にあります。このような場合に、本来あるであろう路線価を独自に付けた上で、これを前提に評価する例が少なくありません。「敵失に乗じるのを潔しとしない」というわけなのでしょう。
しかし筆者にはこれも「迎合評価」しかみえません。理由は、建築基準法上の道路に該当しないため、本来路線価を付すべきでないものにも付されている場合があります。そして権威主義からなのか、この「誤り」を指摘しても当局は路線価をはずすことをしないからです。
この「迎合評価」は、一概には批判できない面があるかもしれません。しかし納税者のために許される範囲の低め評価を追求することが税理士の責務です。やはり迎合評価も不要高額評価のひとつというより他ありません。
相続税を減らす不動産相続の極意 不動産の相続対策
相続に関する多くの誤解が解け、「円満かつ資産を守る相続税対策」の本質が見えてきます。
相続力
平成23年度税制改正大綱に対応!経験豊富な相続税専門の税理士が、相続にまつわる家族の円満から、不動産評価の実態、税務調査まで、本音で語る相続力アップの本。本当は、相続関係のプロには読ませたくない、上級テクニックを披露。
取り返せ!相続税
相続時の注意点から、知っておきたい節税手法、土地の時価評価のしくみ、そして税理士の選定方法まで徹底解説。
裁判所の大堕落
冤罪を続発させ役人のいいなりになる腐敗組織。
役所の腐敗や次々に起こる冤罪は、裁判所の劣化・堕落が原因だ!
はじめての不動産実務入門
不動産の見方、評価の仕方が面白く身につく!実例写真、オリジナルなグラフや図表、わかりやすい解説で理解度100%。
公示価格の破綻
実勢価格との乖離、「選定替え」という不自然な操作など、迷走を続けてきた「土地取引価格の指標」はついに破綻。
新・間違いだらけの土地評価
先入観念や誤解に支配されている不動産に関する一般の認識を是正。土地の評価方法、土地の時価等を解説。
新・嘆きの固定資産税物語
反響をよんだ前著から4年。この間の動きを加え、路線価の評価制度や税制について、新たに分析、批判を試みる。
新・怒りの路線価物語
固定資産税制度を痛烈に批判した「嘆きの固定資産税物語」に3年間の事態の進展を追加した最新版。
まちがいだらけの土地評価
自然体で地に足の着いた発想と考え方で、土地の評価方法、土地の時価等を解説。不動産の姿を冷静に見つめ直す。