わが家にも国勢調査の調査票が届けられましたね。9月26日の朝日新聞にもみるとおり、調査票の回収率はどんどん落ちているんだそうな。そもそもこれは何のためにやっているのかがさっぱり分かりません。下手すりゃあ役所の自己満足じゃないの。プライバシー意識が高まる中、こんなものに協力する気が起きてこないのは、無理からぬところでしょう。

この調査は約70万人の調査員を動員してやるといいます。調査員は50~100世帯を担当。平均報酬は3.9万円とのことです。
調査員になった親しい人がこぼしていましたよ。「世話になった自治会長に頼み込まれちゃ、断るわけにはいきません。しかし忙しい中、雀の涙の報酬でこんな面倒な作業をやらされたのではたまったもんじゃありませんよ」。

しかし役所は回収率のアップに、あの手この手で躍起になっているといいます。だけど本気でアップしたいと思っているんだったら、簡単な手がありますよ。それは役所の人間が先頭になって調査員をやることだね。

にもかかわらず、こうした作業はすべて民間に押しつけて、役人は全く汗をかこうこうとしないモンね。先の親しい調査員も言ってましたよ。「役人はああだこうだ言うだけ。”隗より始めよ”で真っ先に自分でやったらどうなのか。そうすれば現場の苦労もわかるはずじゃないか」。これじゃあ調査員の士気が上がるわけはありません。
そんな雰囲気は一般の人も感じてますネ。だから国民全体がこれを冷ややかに見てますヨ。これじゃあ回収率は下がる一方でしょう。

しかし相応の数の公務員が調査員をやるというのであれば、調査員も俄然やる気が出るね。何だったら公務員組と民間組が回収率を競ってもおもしろいよね。ただし言っときますけど、公務員も勤務外の「3.9万円コース」でやるんだよ(多少の早引けぐらいは認めていいけどネ)。だって同じ条件じゃなければ、下々の様子が分からないでしょうが。(おそらく連中は、いつも怠けの口実に使う「公務員の業務専念義務」とやらを持ち出すんだろうけど、そんなものは法的な特例措置を設ければいいでしょう)。

となればそうしたムードは、マスコミを通じて一般国民にも伝わるでしょう(それ以前に、マスコミ自体もおもしろがって報道に力が入りそう)。となれば一気に「みんなで調査に協力しよう」となります。こうした「国全体の盛り上がりで回収率100%達成」となるわけデス。

むろんこれは回収率のためだけではないんだよ。そもそも旗振り役の総務省や実際に動く各自治体の担当者が、実際の現場を肌で感じてこその調査でしょう。そうすれば「個人情報保護」がいかに妙な口実にされているかも分かるはず。
これをすべて人任せにしておいて「回収率が下がっている。プライバシー意識の高まりが原因ではないか」なんて評論家をやっててどうします。

しかし使命感を全く失った役人は、こんなことをやるはずがありませんね。先般の「消えた100歳以上の人」の時と同様、換気の効いた役所の中でぬくぬくやっていた方が楽でいいモンね。
何ともはや情けない公務員。とりあえずこんな調査はやめちゃったらどう?。