逃走中のオウム高橋容疑者はついに捕まっちゃったね。この逮捕への貢献のナンバー1は、断然防犯カメラだったよ。なにせ防犯カメラの画像は驚くほど鮮明になってるもんね。
今や防犯カメラは街にあふれてるよ。まずは警察等が防犯対策として、あちこちの街頭等に設置している。他にも、鉄道やコンビニといった民間の多くの施設がやたら設置している。しかもその数がどんどん増えてるんだよ。
確かに銀行の金庫とか特殊な所への不当な立ち入りをチェックしたり、ダムや火山の監視・記録するとかに使うのならいいと思うよ。
でも街頭や鉄道といった人が普通に行動する所に設置されたんじゃ、もろに監視社会なっちゃうね。プライバシーはどうなってるのかって話だよ。
まして技術の進歩で、これからも監視の精度はどんどん高まっていくね。たとえば将来的には顔のある部分の特徴を捉えること等により、何百人の群衆から瞬時に目的の人を特定することができるようになるんだって。気味の悪い話だよ。
既に警察は、高速道路ですべての通過車両のナンバーと顔写真を撮影している(Nシステム)というのは有名な話だね。
こうした多くの技術を組み合わせていけば、まさに役所が一人ひとりの行動を常に把握する状況ができかねないね。まさに大量監視だよ。
ともすると「悪いことしなきゃ監視されたっていいじゃないか」という考えが出てくるかもしれない。
でもその「悪いかどうか」の判断は、警察といった役所がやるんだよ。彼らが正しい判断をすれば問題はないよ。でも役所自体が「悪い」存在、という側面が少なからずあるよね。
つまり役所にとって不都合な人を、「悪人」として監視するわけだよ。例えば警察の裏金等の実態を暴こうとする人、役所の権限を減らそうと動く政治家、警察が逮捕した人のアリバイを証明しようとする人。役所が推進する原発への反対運動のリーダー…。
人はたまには浮気もするし風俗にも行くよね。あるいはその子供が万引きをするかもしれないし、それこそ親族が生活保護を受けているかもしれない。大量監視でこうした弱みを暴いてマスコミにリークする。これで「悪い人」を引きずり下ろすことができちゃうわけだよ。
たとえば前に、原発に反対した佐藤栄佐久元福島県知事を辞めさせるに際しては、警察等が相当荒っぽいでっち上げをやるしかなかったんだ。あの小沢さんもその口だろうね。
これが今後はもっとスマートにできるわけだよ。こうなるとやりたい放題になりかねないね。
とはいえ技術の進歩を止めるわけにはいかないし、監視カメラが極めて便利であることも事実だよ。要は使い方しだいだね。
となると監視カメラの乱用を防ぐことが最優先。つまりやたらに中身を開示しないことだよ。今は民間の防犯カメラも、警察の要請であれば無条件に開示しているようだけど、これからはその要件を俄然厳しく制限することだよ。
その考え方の基本は、防犯カメラの開示が少なくとも「電話の盗聴」に匹敵する重みを有するという認識を持つことだね。だからカメラの設置に際しては、詳細な開示ルールを決め、警察の要請にも毅然と対応できるような措置(判断は弁護士に任せる等)をとる必要があるんじゃないの。
「警察等の開示要請には裁判所発行の令状を要する」は有力な案だろうけど、裁判所は何でもOKしちゃうからあまり当てにならないね。また警察は「捜査の秘密」を口実にするだろうから、この点も考えなくっちゃね(まあ「秘密」っていうだったら、見せないことだよ)。
本当はこんなつまらない心配をしないで、警察の要請をすんなり受け入れることができればいいんだけどね。今の警察やその他の役所はもうデタラメ状態(例えば原発問題)だから、そうはいかなんだよ。
だからこそ役所側にすれば、そうした事実を指摘する人がすごく邪魔な存在になるわけだよ。だからここで書いたことは決して杞憂だとは思われないんだよね。
情けない国になったもんだね。