橋下市長ら関西首長連合が大飯原発再稼働を事実上容認しちゃったよ。「15%の電力不足」という恫喝にやられたんだろうけど。まあ大飯の戦いの第1ラウンドは負けたんだろうね。
でも行政の責任者としての橋下さんや嘉田知事らの、「産業界等からの悲痛な訴えを無視できなかった」という話は分からなくはないよ。
橋下さんは関西の経済3団体のトップから再稼働を強くプッシュされてたし、嘉田さんに至っては、電力供給を危ぶむ県内の市町村長らから孤立していたんだ。
だから関西首長連合の主張は、あくまで「夏限定の臨時・暫定稼働」に限っての容認だよ。
ところが電力会社や国の言い分はそうじゃない。「原発は安全なのだから、電力不足等に無関係に当然再稼働させるべき」というものなんだ。だから暫定・臨時なんて論外ってわけだね。
そしてその発想の根底には、「稼働させないと原発に投資した巨額資金が回収できなくなる」があるんだよ。
福島の大事故を見れば原発投資が失敗だったってことは、さすがの電力会社も分かったはずだよ。
それでも会社の巨額損失の発生やその経営責任追求が嫌だから、しゃにむに再稼働に突き進んでるんだ。むろん再度の大事故で、住民やこの国がどうなろうと知っちゃいない。地域独占なるが故に主張可能の「エゴの極地」なんだよ。
だから連中は大飯を停止させないまま、これを前例に他の原発を次々に再稼働させようとするよね。
結局のところ、大飯の戦いの第2ラウンドは、大飯原発の再稼働を「臨時・暫定」に押し止めることができるかどうかだよ。むしろこっちが最大の勝負どころとなるね。
となると、一般経済界がこのキャスティングボートを握るんじゃないかと思うんだ。重厚長大産業を中心とする経団連等は、今のところ電力会社寄りの立場にいる。毎年膨大な設備投資をする電力業界は大得意先だからね。
でも経済界を冷静な議論の場に引っ張り出せば、彼らも脱原発路線を否定することはできないと思うよ。地域独占で腐り切っちゃった電力業界と違って、一般経済界はそれなりにまともだと思うからね。
その意味から、先に再稼働を要請に来た経済3団体トップに対して橋下さんは何て言ったんだろう。
実はこう言ってほしかったね。「原発はもう社会的に存在し得ない。しかしこの夏は産業界のためにも何としても電力不足を乗り切る必要があり、大飯の臨時的な再稼働は認める。しかしその後の脱原発路線にはあなた方経済界も協力してくれ」。
今後は経済界にとっても、こんな杜撰な電力業界の存在は許されないはずだよ。もう一度原発が事故ったら本当にこの国は終わっちゃう。経済界もアウトだよ。
であれば地域独占をやめさせ発・送電を分離すること等により、民間の健全な競争をやらせるべきなんだよ。
それによって電気料金は大きく下がるし、安全性やサービスが向上するはずだよ。それにより経済界が追及すべき経済合理性が達成されるわけだよ。
関西首長連合は、第2ラウンドも目いっぱい頑張ってね。こんな雑文を書く程度の応援しかできないんだけど…。