政府は、原発の運転期間を原則として40年とする法改正を行うってね。だけど今後原発をどうするのかが定まらないから、なんか場当たりに見えるよ。
利益最優先の電力会社は、とにかく原発を長く使いたいんだ。だから当初に目処とされていた30年が経つと、役所が安全性を確認して10年ごとの延長を認めることにしてたよ。何せ役所とは馴れ合いだからね。
そのうち彼らは、「機器や部品は交換可能だから、寿命はない」なんて屁理屈をこね始めたよ。挙げ句は「技術面では60年まで安全運転が可能」とまで言ってたみたい。
だけど交換できない心臓部の圧力容器は、放射線で徐々にダメになっていくんだ。むろん古い原発は新技術にも対応できないよ。原子力ムラの言い分はまるで非常識。お話になりません。
それでも「寿命40年」は電力業界に衝撃を与えたんだ。「何故40年で線引きなのか？」。「原発に変わる電力供給策のないままの40年寿命はおかしい」。こんな調子で、不満たらたらだってね。
一体この連中は何を考えてんの。「何故線引き？」。ふざけるなよ。福島の大惨事があったからに決まっているじゃないか。あんた方が言っていた「絶対安全」が嘘だったからじゃないか。本来なら閉門蟄居になるはずの連中が、恥ずかしげもなくよく言うよ。
「供給が不足する現在、安全性を十分確認した上で既存の原発を利用すべき？」（読売社説）。何言ってんのよ。危険を全く制御できない中にあって、安全性をどうやって確認するのよ。できもしないことを口先でごまかすんじゃないよ。
「何？海外のほとんどは寿命を規定していない？」（同）。あのネ。海外のほとんどは地震国じゃないの。日本と海外とでは原発の条件が全く違うんだよ。
ついでにいえば、占領政策等でスタートが大きく後れた日本の原発技術は、今でも海外に追いついていないという話も聞くね。
この際、電力を食料に例えてみるよ。味も値段も悪くない「Ｇ食」という食料が戦後に開発され、今ではこのＧ食が大量に供給されているとするね。
だけどＧ食には、発症する可能性は極め低いものの、猛毒に転化し強力な感染力さえ有する物質が含まれているんだ。でも技術的にその発症はゼロに押さえ込んでいるとされ「絶対安全」と言われていた。
ところが、遂にそれが発症し福島県を中心に蔓延しちゃったんだ。「絶対安全」も、Ｇ食で莫大な利益を上げる「Ｇ食ムラ」が勝手に言っていただけで、技術力は杜撰の極み。
発症後も「Ｇ食ムラ」はおろおろするばかりで、対処がまるでダメだった。その結果、広大な感染地域には、筆舌に尽くしがたい被害が発生してしまったわけだよ。
となれば当然こんな恐ろしいＧ食など、二度と口にできないはずだよね。
ところが「Ｇ食ムラ」を中心にこう言うんだ。「Ｇ食に代わる食料がない現在、これを食べ続けてもらうしかない」。
そりゃないでしょう。Ｇ食に変わるものは今はないとしても、夏の一時期に少しひもじい思いをするだけじゃないの。飢え死にするわけでもあるまいに。
たかだかそのために、いつ発症するか分からない恐怖の物質入りのＧ食なんか、食べるわけにはいきませんよ。食糧が不足しようが、事情の違う海外がG食を食べていようが、ダメなものはダメなの。
おまけに猛毒の発症する可能性は、人口の少ないＧ食の産地が断然高いんだ。だから大都市にいる「Ｇ食ムラ」の連中は、それが発症しても被害を受ける可能性は極めて少ないんだよ。
絶対安全というなら、少なくともＧ食のメーカーの社長や責任者は、その産地に常駐すべきと思うけど、そんなことはおくびにも出さない。卑怯そのものなんだよ。
話を原発に戻すけどね。何が不思議って、今も原発ムラの連中が大きい顔をしてるってことだよ。
本音をいえば、連中に責任をとらせた上で、立派な人たちが懸命に安全策を構じてくれるのであれば、「脱原発」路線でもいいのかなと思っていたよ。だけど未だに連中がやっているんじゃ、原発は即刻停止にしてもらいたいね。
