前回、警察の裏金について書くって言っちゃったけど、ごめん。方針転換で今回は、「近年の警察がやたら微罪事件で市民をいじめている実態について」とするよ。
なおこのネタ元の多くは、先日出席した「明るい警察を実現する全国ネットワーク」主催のセミナーだよ。
最初に結論を書くね。近年の警察はノルマ主義が徹底しているんだ。たとえば職務質問(職質)件数、微罪を含む検挙件数、指紋や顔写真の取得件数等。
これを稼がないと、人事考課はもちろんダメ警官のレッテルを張られかねないんだよ。だから彼らは、件数確保にひたすら励まざるをえないんだ。
手っ取り早いのは自転車泥棒。無灯火で走っている自転車に職務質問(職質)をかける。うまくそれが他人の自転車だったら、窃盗犯で捕まえる。警察に連れて行き指紋や顔写真を撮る。むろん不起訴処分となるんだろうけど、これでめでたく検挙件数1件だよ。
かなりすごいのは、いかにも酔っぱらいが通りそうな道に、鍵をかけないままの自転車を置いておいて、ひたすらそれを見張る。うまく酔っぱらいがその自転車に乗ってくれたら、窃盗でノルマ1件となるんだ。
こんな話もあるよ。ボロの自転車に乗っていた人に、職質で「その自転車どうしたの」と聞いたら、「アパートの前に1~2年放置されていた自転車を、その管理人からもらった」というんだ。
そこで「シメタ」とばかりその管理人を、占有離脱物横領罪とやらで捕まえたんだって。ゴミ自転車の有効利用じゃないかと思うけど、むろんそんな理屈は通用しないんだ。
実は自転車やバイクの窃盗については、その被害者・加害者は中・高生が多いんだって。盗まれたから他のモノを盗むという連鎖なんだ。だけど彼らは軽い気持ちでやってる。その彼らを「窃盗犯」とやれば、非行化が進むだけじゃないの。問題は大きいよね。
ある人が深夜歩いていたら、突然「鞄の中を見せろ」と警官から言われた。さらに「刃物を持っているか」と聞かれたから、鞄の底から災害用の小さなナイフを出した。
これで即「軽犯罪法違反」と言われ、交番への任意同行を求められた。これを拒否しかなり抵抗したけど、強引に連れて行かれた。
交番では多くに囲まれ「ワー」とやられ、「クロ」と判定された。そして勝手に書かれた供述書に指印させられた。ナイフの所有権放棄書を書かされ、さらに警察署に連れて行かれ指紋と顔写真を撮られて、そこでやっと解放された。
これなんかもう無茶苦茶だよ。これ全部違法だからね。職質自体がおかしい。生活用のナイフを普通に持っていたって軽犯罪法違反などになるわけがない。交番の連行も、供述書も指紋等も全部違法なんだよ。これらはみんな彼らのノルマ対策なんだ。
この際、私も初めて見た職質の根拠規定、警察官職務執行法(警職法)第2条をかいつまんで書いてみるよ。「警察官は、合理的に判断して、何らかの犯罪を犯そうとしていると疑うに足りる相当の理由がある者を、停止させて質問することができる」。
要するに、何か悪いことをやりそうだと思われる者以外の人には、職質をやってはいけないだよ。
違う話だよ。ある人が郵便局で無礼な局員に立腹し、たまたま払った手により何かが局員に当たった。そのまま帰宅したら、夜中に警官が押しかけてきて交番に連れて行かれた。むろん局員が交番に訴えたんだろうね。彼は弁明その他を懸命に行ったけど、警察は聞く耳を持たない。結局指紋と顔写真を撮られた上で、やっと解放されたんだ。
つまり交番等に誰かを訴えるような通報があれば、警察はとにかくその人を捕まえてノルマに利用する。訴えの是非なんかまるでお構いなし。典型的なのは、電車内での痴漢だね。となれば「お前がやった」で、とにかく犯人に仕立て上げるんだ。
そしてこのように強引にやる警官が、警察内では優秀とされる。「市民のために良心的に」なんてやってたら、「ダメ警官」になってしまうんだ。
なぜこんなひどいノルマ主義が跋扈するんだろうか。思うに、ペーパー試験の優秀者に過ぎない警察の大幹部は現場を知らない。だから本来あるべき警官の人事や管理のやり方が分からない。
そこで手っ取り早いノルマ主義に走ったんだろうと思うよ。自分らがふんぞり返れれば、一般市民がどうなろうと彼らは知っちゃいないもんね。
こうした事態・状況は、ここ10年20年の間にどんどん悪化しているみたいだね。一般警察署の幹部連中が、裏金により各数百万円というとんでもない額の私腹を肥やしていることは、関係者は誰でも知っている。しかし誰もこれを止めることができない。
本来は自治体警察なんだから、県知事や県議会がその気になればできるはずなんだけど、まあ怖いんだろうね。確かに「何をされるか分からない」ものね。北海道新聞等が、一時期まともに道警を追及したけど、これも完全に潰されている。
だからほぼ怖いものなし。だからこうしたノルマ主義によるデタラメの横行も止めることはできないんだと思うよ。