一般住宅ならさほど影響はないが・・・・・・
「値段は容積率次第」という土地もある
行政法規は「住みよく災害にも強く」を目的として、建築できる建物の大きさを制限しています。無制限の大型の建物が建てば、街は過密となって災害時に対処できなかったり、住宅地での高い建物は日照の面で具合が悪いからです。
この制限を行う手段として、建築基準法は建ぺい率と容積率という二つの数値を定めました。図表4-7が示すように、建ぺい率は敷地面積に対してのほぼ1階部分の面積の割合。容積率は敷地面積に対する建物延べ面積の割合です。そしてこの両者の上限の数値が、全国すべての地域に指定されているわけだ。
図表4-7: 建ぺい率と容積率
1000坪の敷地に、イラストのような大きい家があります。するとこの土地の建ぺい率は35%、容積率は55%ということになります。
たとえば、郊外の住宅地であれば前者が50%で後者が100%、商業地であれば前者が80%後者が400%といった指定が標準です。むろんこの容積率 400%というのは、「建物の延べ面積は、敷地面積の4倍を超えてはいけない」という意味です。
この両者の数値は、土地の値段にかなりの影響を与える場合が少なくありません。とりわけ容積率は、「なるべく大きな建物を建てたい」といった土地についての値段に決定的な影響を与えます。つまりマンション用地や高度商業地におけるビル用地等です。
逆に木造2階建てがせいぜいといった一般住宅地にあっては、(ぎっしり建てるミニ開発地域等を除き)容積率等の影響はそれほど大きくありません。結局のところ土地評価にあっては、建ぺい率・容積率の影響をどの程度受けるかをしっかり考える必要があるわけです。