面積、地形、接道路・・・土地の価格の下落原因である「個別的要因」の実態と対策
土地の時価の基本的な考え方
時価とは「売りに出したときに買い手が付ける値段」
「売りに出して売れる値段」が時価である/実際に評価してみよう/買い主の立場で考える/地形を題材とする評価/「地主の欲目」は禁物である
相続税を増やすも減らすも、土地の相続税評価をいかに行うかにかかっています。この点をご理解いただくには、まず土地の時価と相続税評価の関係を知っていただく必要があるように思います。そこでまずこの第4章で、土地の時価に関して分かりやすくお話しします。
とはいえ「これらは難しそうだ」とお考えの方は、とりあえずこの4章・5章は読み飛ばしていただいてけっこうです。ただし第6章は是非お読みいただけたらと願っています。
時価評価の考え方
最初に時価とは市場価格、分かりやすくいえば「(取引市場に)売りに出して売れる値段」のことです。いくら公的な評価や鑑定評価で「○○万円である」といわれても、その値段で売れなければ何の意味もないからです。
ではどうすれば時価が分かるのでしょうか。それは「土地を見た上で自分が買い主だったら、これにいくらの値を付けるか」、これを考えることに尽きます。評価とは「判断」。とにかく自分の感覚で、エイヤッとやる。これで十分「当たらずといえども遠からず」の域に達します。
ではこれを実践していただきましょう。写真Aをじっくりご覧ください。次に写真Bを同様に見ていただいたところで質問です。先の写真Aの土地の単価を100とした場合に、写真Bの土地をいくらとお考えでしょうか。ポイントはあくまで「買い主の立場」です。
なお「私は素人だから分からない。」は厳禁です。とにかく山勘で、気分で、何でもいいから押しの一手でお答え願います。
皆さんの答えは、おそらく50~80(場合により85?)といったところではないでしょうか。さて仮にあなたが60とお考えであったとしましょう。であれば次に「こうしたややむさ苦しいのを気にしない人なら、いくらまで出すか」を考えて下さい。そしてそれが仮に75と思ったとします。
であればこの土地の時価(単価)は75と結論すべきことになります。むろん売り主は最高値を提示した人に売るからです。これが売りに出して売れる値、つまり時価です。評価はこのように2つの作業(自分でならいくら、次に他の人ならいくら)が必要となるわけです。